ついに僕も気になっていたジャパン・ヴィンテージをゲットしてしまいました。
バーニーの1975年製レスポールモデルです。
ジャパンヴィンテージは「本家ギブソンよりも良い音がする」とか、いやいやそんなわけじゃないじゃん・・・っていう評価を貰えてたりするギターですよ。
※でもまぁ、そんなわけなくもないのかなーとも思うんだけれども。
はたしてジャパンヴィンテージは本当に良いのか??
ギブソン・フェンダーよりも良い音がするのか!?!?!?
ジャパンヴィンテージは良い!?
結論から書くと、ジャパンヴィンテージには「良いものもあるし、悪いものもある」というところだと思います。
つまり、ジャパンヴィンテージだから全部が良いというわけではないってこと。
まぁ・・・当然ですよね。
ジャパンヴィンテージと呼ばれるギターの中には安価に販売されていたものもあれば高級機種だってあったわけだし。
たとえばグレコだって安い価格帯のレスポールならボルトオンが採用されていたり。
パンケーキ構造はおろか、合板(ベニヤ)ボディを使っているメーカーもありました。
※ま、この辺は良し悪しというより「違う」という方が近いと思いますが。。。
なので「ジャパンヴィンテージ」とひとくくりにしてはダメかなーと。
トーカイ崇高説
ただ、なんかよくわかんないんですけど、ジャパンヴィンテージの中ではやけにトーカイ推しな風潮があります。(特にレスポール)
現行ギブソン買うぐらいならオールドのトーカイLSの方がいい、みたいな。
先日見た某サイトでは「トーカイ>グレコ>>>アリア>>>バーニー」みたいな格付けをしている人がいて吹き出しましたw
・・・これ、実際に弾いて判断したのかなぁ?
というのも、ある年代のバーニーはトーカイのOEMだったりしますし、そもそも裏の工場を観ればだいたいは寺田楽器やマツモク、フジゲンといったところが作っていたわけだし・・・。
なんていうか、やっぱりネット上にある意見だけを参考にしてしまうとちょっと変なことになるかもしれません。
ただまぁ、「良い音」かどうかっていうのはもう主観の話ですので。
「誰が聴いても100%『良い音』がする」みたいなことってありえませんからね。
こればっかりはなんとも言えない部分です。
・・・ではいったい何を持って「良い」「悪い」を判断すべきなのか!?
ジャパンヴィンテージの材質について
判断基準の一つとして「木材」について見ていくと、客観的な事実として「ジャパンヴィンテージは国産の木材を使っている(可能性がある)」という点が挙げられます。
ギブソンならUSの木材だし、安いレスポールは中国とか韓国とかベトナムとかの木材・・・って感じですよね。(詳しくは知らんけど)
んで、じゃあこういう「木材の原産地による音の違い」についてなのですが、僕は違いがあると思ってます。
日本はUSに比べて(一般的に)湿度が高いじゃないですか。
つまり国産の材っていうのは、湿度が高い環境に順応するように育った木を使ってるわけですよね。
逆に言うとUSの材は日本よりも乾燥した環境で育った木を使っている可能性があります。
そう考えれば(特に木の鳴りといったところに注目すれば)やっぱり音は違いそうじゃないですか?
適材適所じゃないですけども、日本で演奏する時に優れているのは日本の木材なんじゃなかろうか・・・?と思ってしまいます。
材の枯れ具合は?
さらに言うとジャパンヴィンテージはすでに30〜40年経過しているギターです。
そのため、木材も現行ギターに比べれば必然的に枯れてきているわけですよ。
楽器店で素人が「枯れた音がするわぁ〜!」とかいうと店員さんに裏で笑われている・・・なんて話もありますが、音はさておき木材自体は切られた時から徐々に枯れて行っているのは事実なのです。
枯れるということは、つまり木材の水分含有量が変わっているわけなので・・・やっぱり音質にも変化があるわけですよ。
(それが「良いか悪いか」の基準にはならないけどもw)
ちなみに一説には、アメリカは大きな会場で「ジャーーーーーン!!!」と弾く前提でギターが作られていて。
日本では小さな箱とか、家で練習する時もアンプの音量を結構しぼって鳴らすでしょ?それを前提に作られている、みたいな話もあります。
金属パーツは?
金属パーツについては・・・なんとも言えないですね〜。
たとえば当時の上位機種ならGroverのペグを使っていた・・・とかありますけども。
下位機種でもGotohとか同等のOEMを使ってたのなら、現行GIBSONクオリティみたいなものですからね。
※現行ギブソンのチューナーはGotoh製だったりするのだ
ピックアップなんかも同様で。
上位機種のヤツはまぁ、よく鳴ると思ってます。
特にGansonだったか、そこらのメーカーはMaxon製のPUを使っていたとかで、上位モデルには普通にGibsonのパーツ乗せてたらしいのでね。
なのでピンキリだと思います。
ジャパン・ヴィンテージの作りについて
一般的にジャパンヴィンテージは中国や韓国、なんだったらUSのギターよりも「作りが良い」とされています。
要は当時のギター職人がしっかり作ったから・・・ってところみたい。
USの人も結構テキトーなイメージあるからね。
もちろん日本人は気質的に真面目な人も多いですし、きっちり仕上げていたんだろうと思います。
特にジャパンヴィンテージの時代って、まだまだUSの技術を盗んで追いつけ追い越せって頃なので、職人さんも熱中してたんじゃないかな。
目先の利益よりも将来の利益を見ていた感覚はあったかなと思います。
※逆に中国の工場の人とかは「今売れれば良し」みたいな感じらしいです。商売の気質の違いやね。
・・・が!
あくまでそれは「一般論」で。
もちろん中には不真面目な人もいたでしょうし、ブランド的に目先の利益だけを追う日本企業があったっておかしくないです。
USの職人さんだって、たとえばフェンダーのマスタービルダーとかはかなりこだわりを持って作ってますからね。
そう考えると「日本製だからとても作りが良い」と妄信的になってしまうのもよくないのかなと。
ギブソン・フェンダーより良い音するのか?
じゃあジャパンヴィンテージはギブソン・フェンダーより良い音がするのか!?ってところなのですが・・・!
僕は「ギブソン・フェンダーの方が鳴る」と思ってます!!
あくまで僕が所有しているギターに関していうと、ギブソンのレスポールは”楽器の音”がするんですよ。
グランドピアノとかみたいな。上質な深みのある音。
もしこれがあなたの「良い音」「求める音」なのであれば、ジャパンヴィンテージはそれを持ち合わせていない可能性があります。
やっぱりギブソンはギブソンの音・・・というか、USギターにはUSギターの音があるってことなんでしょうねえ。
僕はジャパンヴィンテージの音の方が好きかも
ただ、ギブソンの音とは違うのだけれど、ジャパンヴィンテージにはむしろ色っぽさというか、なんだか音に艶がある気がするのです。
個人的にはその音が、日本の環境には合ってるってことなのかな〜?と思うんですよ。
カラッとしすぎてない感じというか・・・。
なので僕はジャパン・ヴィンテージの方が好きかもです。
ボディも鳴ってますしね。
あ、でもアンプに通した音は、やっぱりギブソンの方がいいかな・・・。
(なのでジャパンヴィンテージのPUを交換すれば僕にとっては最高なのかもしれませんw)
※もちろんその日の気分とかで好みは全然かわっちゃうんですけどねー
ジャパンヴィンテージは安い
ジャパンヴィンテージのギターは概ね、USギターに比べて安いです。
たとえばレスポールなら、現行のスタジオモデルで中古だと6万円〜10万円ぐらい。スタンダードモデルなら中古でも15〜20万円はしてます。
一方、ジャパンヴィンテージは安い物なら1万円から。
人気のトーカイLSやオービル・バイギブでも10万円といったところでしょうか。
それぐらいの価格でヴィンテージものが買えると思ったら確かに安いですよね。
「安いのは本家に比べて音が良くないからだろう」と思う方は、市場の価格がどう決定されていくのか?を一度考えてみると面白いと思います。
たとえばルイ・ヴィトンはビニール製のカバンなのになぜ高額なのか??とか。
100円ショップではなぜ100円以上の価値があるものが売られていたりするのか??なども。
そういう観点から僕は、適正な価格で取り引きされるジャパンヴィンテージのギターについては「買って損なし」だと思ってます。
(と言っても資産価値という観点から言うと微妙かもしれませんが!!)
おわりに
やっぱりジャパンヴィンテージは、米国ギブソンのギターとは「違う」わけですな。
ただ、「違う」だけで、良いとか悪いとかではないです。
木もよく鳴っているし、他パーツもなかなか優秀ですし。
あとは好みの問題かなと。
当然それは現代の中華ギターなどにも言えることですよね。
あっちの音が好きだとか、あっちのギターじゃないと出せない音がある、みたいな感じで。
そんな感じ!(最後置きに行った感はある)