僕が6本目に手にしたギター、それは・・・GrecoのRJ-85でした!!
通称「グレッコ」とか「グレコッチ」とか呼ばれる一品です。
(ワイはグレッコ派)
前回モノホンのGretschを入手しておきながら、その物欲は止むことを知らず、、、約1年後にゲットしてしまってます。
・・・というわけで、Greco RJ-85とはどんなギターだったのか!?
見ていきましょう~。
Greco RJ-85・・・こんなギターやった
RJ-85は1988年~1989年のグレコのカタログに掲載されていたモデルです。
どこからどうみても・・・どう・・・みても・・・グレッチ・ロックジェットです。本当にありがとうございました。
・・・とは、ならない。
そんなコピーギターでございます。
以前このブログでも触れましたが、1988年っていうとちょうど「Gretsch復活前夜」って感じの年代なわけですよ。
(Gretschカンパニーは1980年にギターの製造を中止して、1989年から製造を再開しています)
88年のグレコギター。
寺田楽器製造・・・?
そして89年からは寺田楽器がグレッチを作っている・・・と。
Hmm…
おもろいな!
70年代のROCJETを模したモデル
RJ-85はその名からわかるとおり、Roc Jet(またはRock Jet)を模したモデルと思われます。
当時ボウイを解散してCOMPLEXで活躍していた布袋さんがBE MY BABYのPVで70年代の赤いRoc Jetを持っており、そこからインスピレーションを受けたのかな~?とも思いましたが・・・
そもそもBE MY BABYのリリースより先にこっちが発売されてますし、布袋さんはフェルナンデスだし・・・w
偶然だったのか、はたまた当時のグレコで70年代のグレッチがプチブームだったのか、そこらへんは謎です。
(他にもファルコンとかカントリージェントルマンとかのコピーを発売してたのよね)
88年のカタログではブラック、レッド、あとはシースルーオレンジかな?の3色が用意されていた模様。
89年にはそれこそ布袋さんのPVにあったような赤いモデルだけがカタログには掲載されていましたが、3色が継続して販売されていたようです。
でも、惜しいどころの話じゃないのよ・・・
ただこれ・・・コピーモデルと呼ぶには残念すぎるというか・・・「どうしてこうなった・・・」っていう感じが逆に愛おしい、そんなアイテムだったりします。
本家の’72年製Roc Jetと比較するとこんな感じ。
ボディ形状が全然違うのがわかりますよね。
カッタウェイ部分はやけにシャープだし・・・下部はずいぶんどってりしてるし。
ボディの全長も違うのかな?
ボリュームノブの配置も寄せたとは思えないですよね。。。
フロントピックアップの位置もやけにブリッジ寄りだしw
おかげでエスカッションとネックエンドの間に不要な隙間があるんですよ。
ピックガード形状は70年代のグレッチのそれになかなか寄せてあるんですが・・・そうなるとエスカッション形状だとかG-Tronの形状だとかの整合がつかなくって。。。
※60年代後半に出た初代Roc Jetはシルバーエスカッションでもうちょっと丸いピックガード、70年代からはクロームエスカッションでこの形状のピックガード・・・のはずです。
とにかく「Roc Jet風」ではあるのですが、きっと訴えられることもないぐらいの精度の低さを持つコピーモデルなのであります。
一瞬「そういや50年代のDuo JetってRock Jetって名前だったよな・・・」とも思いましたが、、、そっちの方が余計似てないっていう。。。
なので、Roc JetのようでRoc Jetではない・・・グレッコ・ロックジェットモデル(RJ-85)なのであります。
(ちなみに85とついているとおり、定価は85,000円だった模様)
その他スペック的な部分
ただですね、雰囲気は本当によく出てまして。
ヘッド形状は当時のグレッチのラージヘッド形状まんま、といった感じ。
特にこのGRECOロゴが愛おしいのよねえ。。。
ここを「Gretsch」ってやっちゃう某国コピーモデルとは雲泥の差ですよ。
さすがGibbonとかGansonとかを通ってきた日本コピーモデルなだけある。(決して褒められたものではない)
トラスロッドカバーも本家グレッチさながらの3点どめ。
Roc Jetも761x番台になる前(60年代後半)のものはこの手のTRCだったと思います。
※70年代にはTRCがネックヒール部分に移動してました。
あとはグレッチ・ジェットモデルと言えば!のゼロフレットもしっかり再現!!
こういうところは嬉しいですよねえ。
ヘッド裏には88年式を思わせるシリアル番号が入っていました。
ロトマチックタイプのペグは安心の(?)日本製。
ローズウッド指板に半月状のポジションインレイ。
これもなかなかどうしてロックジェットしてます。
※ちなみに本家は70年代後半の最終モデルになる前まではエボニー指板でした。
ネックはさすがグレコのギターといった感じで細く、日本人にも握りやすいサイズだと思います。
グレッチのソリッドギターと言えばボディが薄いという印象がありますが、RJ-85はそれよりもさらに薄いボディでした。
(写真左が本家ロックジェット、右がグレッコ)
本家はソリッドと言いつつセミソリッドだったんですけど、こっちはがっつりソリッドっぽいですね〜。
レスポール並の重さがあります。
ただ・・・ボディ、ネック共にマホガニーとのこと。・・・本当かなぁ?w
ボリュームノブもGアロー風w
なにげにこういうの嬉しくなりますよねえ。
ただ、本家のGアローとはちょっと形状が違うのはご愛嬌。
ちなみに・・・
本来、ROC JETのボリュームノブは70年代グレッチのこういうヤツなのでね・・・。
そこらへんも微妙にコピーしきれてないという。。。
嬉しいんだか嬉しくないんだかのBigsby風ビブラートユニット。
これも非常にコピー精度が低めというか・・・形状的には訴えられなさそうな感じだったりします。
黒い部分には縦の謎モールドが入ってて絶妙にダサいですしね。
ただ!!
本家のビグスビーより優秀なのが弦のボールエンドを留めておく部分ですよ!
ビグスビーのやつって、アクスル部から短い棒が生えてて、そこにボールエンドの穴を通すという特殊な仕様なんですけど・・・こっちのヤツはそこに穴が開いてて、通常のテールピース同様の弦の通し方でOKなのです。
これは弦交換も楽ちんやでえ〜!!
ストラップピンもグレッチのソレにかなり似た感じで、雰囲気出てますよ〜。
ただまぁ、これも厳密には形状が違うので・・・気になる人は気になっちゃうレベル!w
ピックアップは「G-Tron」という、グレコオリジナルのフィルタートロン風です。
確かにロックジェットも60年代のモデルにはフィルタートロンが採用されていましたのでね。
この子の出音に関しては、以前フィルタートロンと比較した記事がありますので、そちらも参考にしてみてください。
こちらの記事ではクリーンしか比較してませんでしたが・・・今日久々に歪ませてみたところ、なんだか暴れん坊でしたw
高音域がすごくギャンギャンする感じがあるかなぁ・・・。
そういう意味だと70年代ロックジェットに採用されたスーパートロンに近いような・・・。
僕は非常に使いづらかったですw
ワイとGreco RJ-85の思い出
ここからは・・・いや、ここからも!誰得コンテンツ。
僕とRJ-85の思い出でございます。
2006年末にファルコンJr.を買ったあと、やっぱりギター欲しい病「GAS ATTACK」は終わりませんでした。
明くる日も明くる日もギターのカタログばかり眺めてまして。
ついには「Gretsch Roc Jetが欲しい」となってしまったのです。
でもGretschは買ったばっかだしなぁ、、、
そんなに高額なギターをポンポンと買えないよ・・・。
なんて考えながら調べていると、Grecoがコピーモデルを出していることを知るわけですね〜。
しかもなぜか、RJ-85の存在を知ってからは「本家よりグレッコの方が欲しい」という気持ちが強くなってしまって、ヤフオク!でウォッチする日々が続きました。
んで、一度5,000円ぐらいケチったせいで落札できなかったことがあって、そこからは燃えましたねえ。。。
やっぱこういう中古品ギターっていうのは「出会い」が大切ですから。
そもそも出会えなかったら買えないわけですからね。
ゆえに「次に出品されたらいくらだったとしても落札してやる・・・!!!」と熱くなっていたのであります。
で、迎えた2007年の11月。
実に半年ぶりにRJ-85が出品されているのに出会いまして、気合を入れて入札!!
前回よりも安い価格(それでも50kぐらい)で入手することができたのですw
少しだけ手を加えてます
我が家に来た当時は黒いRJ-85でした。
ほぼストック状態だったのですが、安く落札できたのには理由があって。
一つはネック側のストラップピン取り付け位置が変更されていたこと。
(しかも不格好に飛び出ていた)
もう一つは前のオーナーさんがストップバーテールピースを取り付けていたようで、その取付部分を木材で埋めてリペアした痕が残っていたのです。
なので、入手後にそこに手を加えることにしました。
ストラップピンは元々の物を引っこ抜き、新しく穴を明け直して、グレッチ純正品を取り寄せて取り付けました。
ストップバーテールピースの穴の痕は放置しても良かったんですけど、せっかくならポルシェパンプキンに塗り直そうと思ってボディトップの塗装を全部剥がすことに。
・・・横着してパーツ類を取り付けたままw
しかしこのトップ材・・・本当にマホかなぁ?
なーんかメイプルくせー。
そんでこの後、パンプキンカラーに塗装するんですが、なんだか納得がいかず・・・ハードケースにしまうこと14年。
ようやく2020年に引っ張り出してきて仕上げたのですが、、、その頃には僕ももうバンド活動などはやっておらず。
ステージ経験はおろか、スタジオでの実戦経験も皆無というギターなのでした。
・・・ステージ映えしそうなんですけどねえ!もったいない。
それからもう一箇所。
もともとはこのギター、グレッチタイプにあるまじき「ABR-1」タイプのT.O.Mブリッジが採用されていたんですよ。
それが納得行かなくて・・・テキトウなアーチトップ用の木台を用意して、ボディに直接打ち込まれていたアンカーを引っこ抜いて・・・ってやってます。
(ブリッジパーツ自体は流用)
なので、その辺でもストックとはちょっと出音が違うかもですね〜。
パンプキンカラーで、ブリッジも木台付き、と。
世界に一本だけのRJ-85や!
おわりに
というわけで、Greco RJ-85のレビューでした。
これまたなんともたまらん一本で、なかなか手放せませんな。
色も塗っちゃったしね。
売っても二束三文だろうしw