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Tony Smith KPR-32 (TSR-320)というギターについて【トニスミPRSコピー】

投稿日:08/09/2022 更新日:

いやー、チン棒たまらんといったところで!
あまりにも「気になるおもちゃ」のKさんがPRS自慢をしまくるもんだから僕も欲しくなりましてですね。

探し続けること数日・・・買ってしまいました。

PRS・・・?

ノンノン・・・T(R)Sです!!!

いったいこいつはどんなギターだったのか・・・紹介します!!

Tony Smith KPR-32・・・こんなギターやった

パッと見、Paul Reed Smith Custom 24。

でもその実・・・Tony (Reed) Smith KPR-32。。。つまりパチモンギターでございます。

このギターが初めて市場に姿を現したのがいつなのかは存じませんが!
少なくとも手持ちの2004年のGiGSにおいてサクラ楽器の広告にKPR-32として、ワタナベ楽器の広告ではTSR-320として本体価格14,800円ぐらいで販売されていました。

その後2011年ぐらいまではネット通販を中心に販売されていたようです。

サクラ楽器によるスペック情報

このギターは現在絶版というか、もう売られていないアイテムゆえに・・・スペック情報がよくわかりませんでした。

が!
Waybackマシーンにてサクラ楽器の2007年時点の情報を見てみると、以下のようなことが判明しています。

ボディ ソリッドウッド
タイガーメイプルトップ
ネック マホガニー
フィンガーボード ローズウッド
ピックアップ 2ハムバッカー
コントロール 1ボリューム、1トーン
トグルスイッチ
スケール 24フレット
ハードウェア クローム
ネックジョイント セットネック
カラー ダークレッド、ブルー、ブラック

■ あの超高級ギターのシェイプ!
タイガーメイプルトップにマホガニーネックと、細部にこだわったエレキギター。
入門用ギターとしての枠を超えて、ハイコストパフォーマンスを実現しました。

まぁつまりはPRSを意識したエントリーギターということですね。

当時も今もあんまりPRSのコピーギターっていうのは見かけないと思うんですよ。
トーカイLGシリーズとかPR-50T?、グレコのGPHとかっていうのはそうなのかもしれませんが・・・レスポールとかストラトほどコピー市場に溢れていない感があります。

あれですかね。PRS欲しがるような人はコピーなんぞにゃ手を出さん・・・!というのを各メーカーも理解している感じでしょうかw

こいつ・・・悪くないぞ・・・!

さて、では所感といいますか・・・手元に来てから触ってみた感想を上から見て行こうと思います。

まずはヘッド。
面白いですね~。PRSとはシェイプを左右逆転したような形状になっています。

やっぱそこら辺は訴えられないように配慮した感じでしょうか。

ブランドロゴは「Tony Smith」。
奇しくも「Smith」の部分がPaul Read Smithとかぶっていますが、トニスミ自体はいろんな形状のギターをコピーしていますので「PRS専門のパチモンブランド」っていうわけじゃないみたいです。

個人的に気になるのはペグ位置ですね~。
PRSの場合、ペグからナットまで弦が一直線になるように配置されているんですが、この子は全ての弦が左右にテンションかかるようになってます。

これはそのうち穴の位置をずらす等して修正してみたいところ。
(お手軽PRS体験という意味では、こういう点がズレていてはいけないのだ!)

TRCは3点留め。
詳しくは知らないんですけど、本家は基本的に1点留めですよね。ここもそのうち手を出しちゃいそう。

あと悪名高いプラ製ナット。
これ・・・中が空洞になっているとかでボロクソに言われてました。

ただねー・・・安ギター愛好家にとっては中空ナットなんて珍しくもなんともないんですよねw

っていうか今は本家のSEも中空ナット使ってたと思います。

GraphtechのPT-6643-00がちょうどいいそうなので、それに変更予定。

当時のスクレジェニックなどではチューナーのせいでチューニングがメロメロになる・・・というようなことがよく書かれていました。

僕の手元に来た固体は前のオーナーさんがペグ交換もしていたらしく?
アーミングをしてもメロメロに狂うということはなかったです。

・・・あいや、ペグボタンだけ交換したって言ってたかな、、、
まぁ、とにかく普通に使えてます。

ヘッド裏にも特にシリアルの刻印等ありませんので、このギターの年代等を測定するのは難しいかなー。
(本来はここに「MADE IN CHINA」のシールが貼ってあったみたい)

指板はローズウッドとのこと。
ネックはやや広めですが、すごく弾きやすかったのは前オーナーさんが弦高調整を完璧にしてくれていたからでしょう。

おそらく弦は.10-.46を張ってくれてるかと。

ちなみにこの子の指板には本来「ドットポジションインレイ」が入ってるはずですが、前の前のオーナーさんが「インレイシール」を貼ったそうでPRSバードインレイ風になってますw

でも近くでみるとさすがにダサいですね~!(遠目だとかわゆい)

フレット数は本家CUSTOM 24に倣って24フレットになってます。
これがまた・・・なんとも言えないアハ体験というか・・・ハイフレットがめちゃんこ弾きやすい。。。

PRSをファンが絶賛する理由わかるわ、、

ボディ形状も本家PRSとは微妙に違ってます。
でもパッと見はすごく・・・PRS・・・です・・・。

というか、これを買う前に楽器屋さんで現行のSEを見て来たんですけど、やっぱりボディトップのフラットな雰囲気が安っぽく感じてしまったんですよね。

いや、もちろんトニスミの方が安っぽいんですけどねw
でもボディトップのカーヴィング・・・特に縁だけフラットになってる感じとか・・・特徴をよく捉えてませんでしょうか。

ちなみにスケールはちゃんとPRSの25インチ(ナットからブリッジまで63.5センチ)になってました。

ネックの接合は「セットネック」。
安ギターの割りには非常に頑張ってる感じw

ネック材は「マホって書いてあるけどメイプルじゃないか?」という話もありましたが、僕のところに来た子はしっかりマホっぽい木目が見えました。(音ではわからん)

バックパネルを外しちゃってますけど、ここもPRS形状に作ってあってなんだかありがたいです。

ピックアップは外していないので詳細不明ですが、トニスミ純正・・・ってことはないと思うので、中華な汎用品でしょうか。

ネット情報によればフェライト系(セラミック)マグネットが使用されているとのことで、所謂安ギター特有の「どんなピッキングをしても元気な音が出る」っていうピックアップです。
※PRSも物によってはセラミックのPUが乗ってるとかなんとか。

これをアルニコ系のマグネットに交換してあげたら面白い感じになりますかね。
サウンドハウスさんで売ってたな。。。

エスカッションはPRSのACC-4261が・・・なんてことはなく、一般的なレスポール用のもの(と思われる)がついてました。

PRSでも初期はこんなんだったんですかね?

で、気になるのは写真の矢印のところでして・・・ネジ頭が飛び出まくってて非常にカッコ悪いのですw

この子はPRSではないですが、PRSらしさから反してそうというか。なんというか。

後日どうにか修正したい所存。

これも悪名高き、ペラペラブリッジです。
PRS特有のフルブロックっていうんですかね?サドルの周りが囲まれたアレ・・・になってません。

どうにか似せて欲しかったけど、あれは特許取得モノらしいので仕方ないか・・・。

なんか安いストラトとかに使われてるブリッジ・・・って感じのソレなんですよね~。
サドルのピッチも10.4mmとか、極端に狭いです。

前述のとおり特にチューニングが狂うということもないんですけども・・・そのうち交換したいなぁ。

個人的にはこのサドルのイモネジが飛び出ちゃってるのがすごく気になってまして。
ここだけでも改善したいですね~。

コントロールは1V、1T、トグルスイッチと・・・これもPRS CUSTOM 24準拠。
各パーツのところが窪んでいるのも本家に倣ってます。

ボリュームノブは普通のスピードノブだったので、ランプシェードのものに取り換えたいところ。(見た目変えるの好っきゃねん、、、)

トグルはもともとフロント、ミックス、リアを切り替えるだけでしたが・・・前オーナーさんがトーンノブをスイッチ付きポットに変更しており、本家さながらのコイルタップ機能が搭載されてます。
※工場出荷状態ではコイルタップはついてません。

これがね~・・・めちゃくそ面白いですね。。。
一つのギターでハムとシングルが使い分けられるってだけなのにね~。

ミニスイッチとかたくさんつけてストラトのハーフトーンとか、シリーズパラレルとか、いろいろ出せるようにしても面白いかもしれないw

残念ながら我が家に届いた時にはトグルがポッキリいっちゃってたので、交換予定。

ボディトップは「タイガーメイプル」とのことですが、いわゆる「貼りメイプル」だそうです。
それにしても全然トラ目が見えないっていうか・・・もうちょっとPRS風にゴリゴリなタイガーさんでも良かったんじゃないかなぁ~?

いつかチャンスがあったら塗装剥がして、トラ目を目立たせる再塗装したいです。(でも例の窪みのところとか非常に面倒くさそう)

ボディサイドにはナチュラルバインディング入り。
これがなかなかカッコいいですね~!!

あ、そうそう。ナチュラルバインディングとトップの木目が全然一致しませんので、そういう意味でもトップは薄い突板決定ですw

一方ボディバックは「ソリッドウッド」となっていますが、要はホワイトウッド(トウヒ)だと思われます。
たしかに木目がそれっぽい感じ。

※マホガニーだってソリッドなウッドだとは思いますけど、もしマホなんだったら絶対「マホガニー」って書きますもんね!

ホワイトウッドっていうとホムセンで2×4の材としてよく見かけますな。
僕もよくDIYで使います。

で・・・安い材ってことでみんな「軽い」とか「音が安っぽい」とか言ってますけども、、、ぶっちゃけホワイトウッドって軽くないんですよ。
このギターも軽い軽いって言われてたからその頭でいたんですけど、全然重かったですし。

そして「音」については何とも言えない部分ですが、なんでもホワイトウッドっていうのはホンジュラスマホガニーと特性が似ている部分もあるのだそうで・・・。

[参考]ホワイトウッドの年。

そう考えたらなかなか侮れないのかもしれないなぁ。

最後にキャビティ内。

ポットは小さいサイズのヤツで、キャパシターも緑のフィルムコン(いつもの)がついてますね。

トグルスイッチのところだけパーツ交換したのか・・・木が削られていました。

キャビティに導電塗料やアルミテープなどはなく、ノイズ対策は施されていない感じ。
ただまぁ・・・そんなにノイジーじゃないので、このままでもOKです。

(本家PRSも年代によってはそうなってるとかなんとか)

カラーリングについて

ところでKPR-32のカラーリングなのですが、当時の広告を見ても「レッド、ブルー、ブラック」の三色展開となっていました。

・・・が!
ネットで検索していると、どうやら「茶」と「オレンジ」もあったみたいなんですよね・・・。

オレンジの方は「塗り直したんじゃないか・・・?」なんて声も上がってましたが、、、それにしては綺麗なんだよなぁ。。。
1万円ぐらいで買える安ギターをプロに塗り直してもらうとか・・・ある??(ないとは言えないけど)

もしかしたらどこぞの店舗限定とかでそういう希少カラーも出ていたのかな~??

※追記:緑とかもあったみたい。全色欲しいわ、、、

ワイとTony Smith KPR-32の思い出

ここからは誰得コンテンツ・・・。
ワイとこの子の思い出を・・・。

・・・と思ったんですが、まだ入手したばっかで何も思い出がございません!!

そう、冒頭で書いた通り、気になる~のKさんがPRS自慢しまくるから欲しくなっちゃって、衝動的に購入した・・・っていう思い出のみですw

まぁ、アレですよ。
これを購入した直後にメルカリで本家SEが23,000円という破格で売られているのに出会い、比較用に買おうかどうかめっちゃ悩んだ・・・という思い出ならあります。

でもね、たとえ安ギターだったとしても、妻に内緒で買ってしまった直後にもう一本・・・というのは僕も気が引けまして、、、断念。

・・・世の中には250万円のドラゴン買った数か月後に1959年式のLPCを現金即決で買えるお父さんもいるのにね、、、

ここからの・・・

これね!!

いやー、羨ましい。
世の中の不条理さというか、社会の縮図をみましたw

おわりに

というわけで、Tony Smith KPR-32のレビューでした。

なんだかんだ・・・面白い一本というか。
これ、本当に14,800円でいいの!?っていう出来をしていると思います。

少なくとも24フレットの弾き心地とか、PRSギターを持った雰囲気というのはわかるんじゃないですかね。

ゆえに、マジでパーツ交換とかですんごいギターに化けるんじゃないかと・・・。(期待)

ただね~・・・こんなん触ったら絶対にモノホンのPRS欲しくなりますって、、、
まぁ、そういう意味では将来的にPRSに貢献できる、「良いパチモン」って感じでしたでしょうかw

※だったら最初からSE買っとけよなぁ~!!

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