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我がFernandes Sustainerのリバーシブルドライバー、フロントPUとして機能していなかった模様

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ワタクシの所有するFernandes TEJ-50MSというギターには「Sustainer」というユニットが搭載されております。

Sustainerは「サスティナー」と読み、その名の通りサステインをコントロールすることができる優れもの。

当時布袋さんに憧れてギターを始めた僕としては、Fly into your dreamという曲のギターソロで永遠に伸びる音を再現すべく・・・どうしてもこのサスティナー搭載モデルが必要だったのであります。
※いうてその曲をコピーすることはなかったという。。。

・・・んで!
サスティナーにもいろいろと歴史があるのですが、僕が購入した1997年より2年前ぐらいのカタログによれば、永遠のサスティンを得るためのコントロールユニットはCD-100Fという”リバーシブル・ドライバー”に進化しており、フェルナンデス公式のカタログにも

 弦を振動させるサスティナー・ドライバー(CD-100F)は、フロント・ピックアップとしてもご使用いただけます

と書かれていました。

当時の雑誌の売り文句も

雑誌”GiGS”の三鷹楽器の広告より

サステナーシステムの新機能”リバーシブルドライバー”搭載!!サステナーを使わないときはフロントPUになる!!

なんて謳われており、つまりリバーシブルドライバーはサスティナーシステムを使わない場合にはフロントPUになることがあちこちで明言されていたのです!

にも関わらず・・・僕のTEJ-50MSはフロントPUが鳴らないんです。
(厳密にはすごく小さい音だけが鳴っている状態)

そこで、意を決してサスティナーシステムの基板を取り出し、回路を追ってみました。

すると・・・衝撃の事実が判明したのです。。。

サスティナーの歴史

ここで簡単にサスティナーの歴史を追っておくと・・・もともと1940年代ぐらいには原型となるものがあったそうです。(フェルのカタログより)

実際にエレキギターに搭載されたものは、布袋さんのギターに乗っていた「サスティニアック」という18V駆動のものが原点でしょうか。
この代理店を務めていたのがフェルナンデスだそうで、後のフェルナンデス・サスティナーに繋がってくるわけですね。

※ESP製のサスティニアックなるものもあったとか。

1990年代初頭にはカタログにもフェルナンデス製のサスティナーが掲載され始めます。
当初のモデルはサスティナードライバーが「CD-100」というもので、これはリバーシブル機能のないもの=フロントPUとしては使えないものでした。

外観的には「FER SUSTAINER™」と表面に書かれているシングルPUサイズのものになります。

1995年後半からこれがCD-100Fというリバーシブル・ドライバーに変更され、↑の写真のような見た目に変わっていくみたいですね。

同時期ぐらいにサスティナー・ライトというサスティンの機能を絞ったバージョンも登場しています。
※こっちはドライバーの見た目が通常のシングルPUのようなポールピースが乗ってるヤツ、なのかな。

サスティナードライバー側だけでなく、基板もちょいちょいアップデートされているようで・・・後年のものは4つのトリムが基板に搭載されており、これをユーザーが調整できるようになっているんですよね。

同じフェルナンデス・サスティナーキットと言っても、このトリムの数が2つだったり、3つだったりする時期があるのです。

私のサスティナードライバーはおそらくCD-100F

僕はこのギターを1997年の3月に購入しました。
なのでおそらく1996年モデルだったのかな?

1995年の後半にはサスティナーがリバーシブルドライバーに進化しておりますので、さすがに1年も経って旧ドライバーを載せたってことはないと思ってます。

ただ「三鷹楽器オリジナル」のアイテムだったので、フェルから古いサスティナーキットを安く買い叩いた可能性もあるかもしれません。

でもSustainerのロゴ的にもCD-100F期以降のものとなっていますし、その前提で進めていきますね。

サスティナーの回路を追ってみた

さて本題。
僕のギターに搭載されているサスティナーキットの基板はこんな感じのヤツでした。

裏面がこちら。

よく見る青いトリムが2つと、緑のトリムが1つある時期のものです。

フェルナンデスからはこの基板の回路自体は公開されておらず、説明書にも各ユニットからのケーブルのつなぎ方とトリムの設定についてのみ記載されている感じでした。

そのため頑張ってこの基板を読み取っていったんですけども・・・どうにも腑に落ちないところがあったんですよ。

それは・・・

フロントPU(サスティナードライバー)と出力(PUセレクター)に接点がない

というところでした。

フロントもリアも「リア」が出てる

PUセレクターは3Wayで、フロント、センター(ミックス)、リア・・・と切り替えができるようになっているんですが、どう見てもリア側の出力しかセレクターに到達してないんですよね・・・。

具体的に書くと・・・リアPUの出力がAD822というオペアンプ(デュアルアンプ)の入力に入り、OUTPUT 1からの出力がセレクターのリア側に、OUTPUT 2からの出力がセレクターのフロント側に分岐されているのです。
つまりフロントとリアを切り替えても、おそらく増幅率を変えただけのリアPUからの出力が出ているということでした。

※緑色のトリムがOUTPUT 2とINPUT 2の間に入っており、これでフロントPUとされている音量の増減が可能になっています。

ためしにPUを金属の棒でコンコンッとやってみると・・・フロント位置でもリア位置でもリアPUだけが反応するんです。
リバーシブルドライバーは反応せず。

ためしにフロントの線を引っこ抜いてみたら・・・

んで、ものは試しと思って・・・フロントのリバーシブルドライバーから出ているケーブルを基板から引っこ抜いた状態でアンプに繋ぎ、セレクターをフロント位置に合わせて弾いてみたところ・・・鳴ってるやんけ、、、
外す前と同じ、すごく小さい音でフロントPUが鳴ってるんですよ。

つまり・・・リバーシブルドライバーがサスティナーオフ時にフロントPUとして働く、というのはウソで・・・実際には「サスティナーオフ時にはリアPUがフロントPUのふりして鳴るでー!!」ということだったわけです、、、

※あくまで僕の環境では。

そう・・・あくまで僕の環境ではそういう状態であったということをご了承ください。
もしかしたら三鷹楽器オリジナルのソレが変な挙動になっていただけなのかもしれないし、最近のサスティナーキットはちゃんとリバーシブルドライバーがフロントPUとして動いているのかもしれません。
(はたまた僕が基盤を読み間違えているだけという可能性もあります)

でもねー・・・サスティナードライバー(リバーシブルドライバー)から出てる3本線の黒・白・赤ラインがあるんですけど、これの黒と白が同電位でアースと短絡してるんですよね・・・。

僕は電子回路の詳しいところまではわかんないっすけど、仮に黒がGND、白がPU出力(またはサスティナー回路へのフィードバック)、赤が電源ラインとした場合・・・PUから拾ってきた音は抵抗のないGNDにそのまま流れていくってことになってないですかね・・・?

むしろサスティナードライバーって、弾いた音云々じゃなく弦を揺らすためだけに機能しているってことはないのかなぁ・・・?

おわりに

まぁホント・・・回路まだまだ読めないので何とも言えないところではあるんですが。
基板上にはブラックボックスみたいなパーツもありましたしね。

ただ少なくとも僕の環境では「リバーシブルドライバーの線をぶっこ抜いてもフロントの音が小さく出る」という状態でしたので・・・謳い文句の「リバーシブルドライバーはサスティナーオフの時にはフロントPUとして使用できる」というのはウソでした。

でもねー・・・そんなウソをつく必要があるのか?っていうと、、、メーカーには特にメリットがないんですよね。
そもそもサスON時には全セレクターがリアPUになるというのは明言されてますし・・・だったら「OFFの時もそうである」、ってことで良かったはずじゃないですか。

そう考えるとやっぱり僕のギターだけがおかしいのかなぁ・・・?

ちなみに、最新のサスティナー使っている方って、やっぱりリバーシブルドライバーはちゃんとフロントPUとして動いていらっしゃるのでしょうか?
たとえば金属の棒でリバーシブルドライバーをコンコンしたらちゃんとアンプから音が鳴るのかしら・・・?気になる気になる・・・きになるおもちゃ。

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