ギターを買おうと思って探していると、同じような見た目なのに全然値段が違うヤツに出会うことになると思います。
たとえばレスポールスタンダードモデルを買おうと思ったとき、Gibsonのものを買えば数十万円しますが、初心者向け・・・のように売られているブランドのものなら1万円台から買えるわけです。
ではこれらのギターって、いったい何が違うのでしょうか??
いろいろな側面から見ていきたいと思います。
ギターの価値ってなんだんべ??
「同じ形なのに価格が違う」というギターを見ると、「素材が違う」とか「出音が違う」とか・・・そういう話になるのが一般的です。
ギターが楽器である以上、その辺は切っても切り離せないですからね。
ただ、それだけでは説明がつかないぐらいに価格には差がついているわけですよ。
実はギターに限らず、世の中に出回っている「もの」の価格はその価値で左右されていることが多いのであります。
たとえば「希少性」
一番わかりやすいのは「希少性」ですね。
世の中に出回る数が少なく、それを欲している人が多い状況・・・つまり需要が供給を上回っている時に価格は高騰します。
最近よく騒がれている転売アイテムなんかはまさにそれ。
たとえばエレキギターだと、Gibsonの1959年サンバースト・レスポール「The Burst」は数千万円の価格で取り引きされています。
果たしてこのギターの素材や出音が数千万円の価値を持っているのか・・・?というと、なんとも言えないんじゃないかと。
これは「世の中に出回っている数が少ない」というところで価格が跳ね上がってしまっているとも言えるでしょう。
たとえば「ブランド力」
ギターの価値をあげるのにはブランド力も一役買っています。
なぜみんなFenderやGibsonが欲しいのか?
その答えは・・・もちろん「出音が良い」「クオリティが高い」なども挙げられると思いますが、「有名なアーティストが使っているから」というのもあるでしょう。
心理学の「ハロー効果」(後光効果)とか「バンドワゴン効果」みたいなもんで、多くのプロミュージシャンがGibsonを使っていれば「Gibsonは良いものなんだろう」と感じるようになるのは普通のことなのです。
メーカーもそれを狙って、売れ始めてきたアーティストとエンドース契約を結ぶわけですね。
※そういう意味では布袋寅泰を逃したESPは見る目がなかったな!
逆にいうと、全く同じ材を使っていて、全く同じ出音がしたとしても・・・聞いたこともないブランドロゴがついている商品にはなかなか手を伸ばす人がいないと思います。
それがひとたび「安いのにフェンダーみたいな音がする」とか言われただけで飛ぶように売れることもあるわけで、ブランド力(マーケ力?)っていうのがすごく影響してるんだなーってのがわかりますよね。
やっぱ「クオリティ」
本来価値を決めるのはこの「クオリティ=品質」であるべきでしょう。
高額なアイテムほど、その商品に説得力を持たせるために高品質になっていることが多いです。
たとえばアジアの工場で大量生産されたものではなく、日本やUSAで職人が手作りしているものなどは相対的に人件費も高額になるので、商品価格が上がるのも当然のこと。
逆に「安いギターだと仕上げが雑で、練習中に指をケガすることもある」・・・なんて話も聞きますね。
(その他にもポールピースと弦の位置があってない、ペグがゆるゆる、最初からネックが反ってる、独自パーツを用いていて替えがきかない・・・などなども)
また、木材一つとっても、同じ「マホガニーボディ」なのにやっぱり音が違うみたいなのもあるんですよ。不思議なもので。。。
僕は安いギターから入って、おじさんになってはじめてGibsonを手にしたのですが・・・それまで使っていたレスポールタイプとは生音が全然違うことにビックリしました。
ピックアップからの音も当然違いましたし。
※ただ、仕上げのクオリティは雑だったなぁw
高いギターは「良い」のか??
そういうわけなので、高いギターと安いギターっていうのは「価値」の観点からみてもやっぱり「違う」ということがわかるかと思います。
高額になるからにはそれなりの理由がある、と。
では、高いギターはやっぱり「良い」のか??
・・・というと、これはまた難しい問題でw
物の良し悪しっていうのはなかなか一方向の意見だけでは決められないんですよね~・・・。
たとえば通り魔みたいなヤツは、もうどんな理由があったとしてもそいつが100%悪いとは思うんです。
「育った環境が悪い」とか「社会が悪い」みたいなことを言うかもしれないけど、犯罪に手を染めることはその人が決めてやったことなので。
でも、ギターの材や音が良いか悪いかっていうのは「人による」としか言えないというか。
同じ音を聞いても好き嫌いがある
前に某質問板で「ギターの音が嫌い」という人の意見を見たんですよ。
その人はバイオリンか何かの奏者さんで、ギターの音が耳障りだったそうなんです。
でも僕からしてみたらギターにもいろんな音があると思ってるし、むしろクラシックの高音の弦楽器の方が聴いてられなかったりもするので・・・好みの問題なのかな?って思ったんですね。
で!
同じギター好き同士だったとしても、僕が「この音良くない??」って思ったヤツをあなたが「う~ん・・・」ってなる可能性はいくらでもあるじゃないですか。
世の中の大半の人が「やっぱGibsonは上品な音するわ・・・」とか言ってたとしても、「マ?下品な印象あるけど・・・」って思う人がいたっておかしくないでしょ・・・?
個人的にはこの弾き比べ動画とかすっごい面白かったんですけど・・・どうでしょう?
プレテクの方がやっぱり「誰が聴いても劣ってる」と言えるのか??(いや、言えまいw)
また有名な話だと成毛滋さんがライブのパフォーマンスでGibsonとGrecoを弾き比べるというのをやった時に多くのお客さんが「Grecoの方がいい音やんけ」と思ったというものがあります。
これもGrecoがGibsonより優れているとかそういう話ではなくて、その会場にいた人の好みが成毛氏のセッティングやらプレイした曲、環境などにマッチしたんだろうなと。
というわけで、高いギターだから「良い」とか「悪い」とか、そういう問題ではないんですね。
あくまで「価値が違う」「かかってる人件費・材料費が違う」「出音が違う」だけなんだ、ということを僕は言いたかったのであります!
おわりに
ギターの価値ってそういうもんやで!っていうお話でした。
いわゆる資産ですからね、こんなの。
資産価値で考えたら、まぁ・・・希少なヤツが高いのは当然なのであります。
ただ・・・「じゃあ手放す前提で買うのか??」「資産と思って買うのか??」ってところなんですよね。
そこらへんをしっかり考えて、自分にとって必要なギターは何なのか??というところに辿り着かないと不幸になりそうな、そんな気はしております。
最後に・・・僕の大好きなコピペ(?)を。
「高いギターと安いギターは何が違うんですか?」
「高いギターは安いギターに比べて値段が違います」