手持ちのストラトキャスター(スクワイヤ・アフィニティ)にレインボートーンカスタムをかましました。
レインボートーンカスタムというのはストラトのPOT周りをちょっといじくることで、7色のサウンドが出せるようにする改造方法です。
通常ストラトはフロント、センター、リアのピックアップを用いたトーン3つに、それぞれのハーフトーン2つを加えて5段階の出音がありますよね。
そこに手を加えて、フロント+リア、フロント+センター+リアという音も出せるようにする=7色の出音でレインボートーン、というわけです。
やり方はとても簡単で、ハンダゴテを使ったことがある人なら特に悩まないのではないかと思われます。
※ハンダゴテは使えるようになっておくと、ピックアップ交換とかコンデンサ交換とかが捗りますぞ〜!!
では実際のカスタム方法や注意点のまとめです。
準備するもの
レインボートーンに必要な材料は「ギター本体」、「ON/ONスイッチ」と「配線材」のみ。
あとはハンダゴテとはんだといったツールがあればOKです。
ON/ONスイッチはトグルスイッチを使ってもいけますが、ピックガードに穴を開ける手間が発生するので、ON/ONスイッチ機能がついたPOTを用意するのが一般的。
プッシュ・プッシュでON/ONが切り替わるスイッチが推奨ですが、プッシュ・プルでON/ONの切り替えをするものでも可。
僕が使ったのはESPの250kΩ/Aカーブのやつで、定価1,980円でした。
ギターはストラトじゃなくても3PUで3Wayだの5Wayだのになってるヤツならレインボー目指せます。
2PUだとそもそもフロント、リア、ミックスの全トーンが出せますし、3PUのレスポールだとまた配線が違っててややこしそうです。
各種パーツの仕組み
実際の作業に取り掛かる前に、各パーツの仕組みについておさらいしておきましょう!
5WAYスイッチ
5スイッチはメーカーによってその仕様が異なるようですが、基本的には8つの端子があって、3方向の切り替えが2回路分入っています。
具体的にはフロント、センター、リアピックアップのホット側に結線された端子が1つずつ、フロントとセンターのトーン用端子が1つずつ、リアのトーン用(空き)が1つ、そしてアウトプット用のコモン端子が2つという構成。
さらにはスイッチ内部の配線によってハーフトーンが実現できるようになっているみたいですね。
ワイのスクワイヤに積んであったのは上のようなものでした。
順に見ていくと以下の通り。
- 4:フロントPUのホット
- 5:センターPUのホット
- 6:リアPUのホット
- 7:アウトプット(Volの3番足)
- 8:COMMON(7と短絡)
- 1:フロントトーンの2番足
- 2:センタートーンの1番足
- 3:空き(リアのトーン用)
回路的にはピックアップからの出力がマスターボリュームに行く過程で、スイッチを介してそれぞれのトーン回路に流れるようになり、高域成分を削る=LPFになっているようです。
ストラトの配線って今まであんまり意識してなかったんですが・・・リアはトーンが効かないようになってるんですね。(知らなかったw)
ON/ONスイッチ
ON/ONスイッチの仕組みは、入力信号を左右の出力端子いずれかに切り替えるというものです。
今回は写真の右側にある6つの端子のうち、真ん中の2つ(コモン端子)にフロントピックアップの入力を持ってきて、写真左側の端子と短絡する場合は回路が途切れる(フロントのミックスが起こらない)、写真右側の端子の時にはフロントの信号が出力に乗るようにします。
ただこれ、特にON/ONのスイッチとボリュームPOTが連動して動くということはなくて。
単にPOTのシャフトをON/ONのスイッチとして流用しているだけに過ぎません。
そのため、前述したとおりトグルスイッチの増設でもレインボートーンが作れるはずなのです。
注意点
改造のための注意点は以下の2つ。
- ザグる必要性
- ミリ・インチの注意
- コンデンサ、POTを壊さないこと
一般的なフェンダー・ストラトキャスターの場合、コントロールキャビティが深めに掘ってあると思うのです。
・・・が!
僕の手持ちのスクワイヤはそもそもキャビティ形状が普通のストラトとは違ってまして。
そのままだとスイッチ付きのPOTを取り付けられないことが判明。。。
そこで
こんな感じでザグる必要がありました、、、
これがすごく面倒臭かったです。
また、今回買ったPOTはシャフト部がインチ規格のものだったのですが、スクワイヤをはじめとするアジアで作られるギターはミリ規格のことが多く、そのままだと差し替えが不可です。
そのため僕はピックガードの取り付け穴をリーマーで広げる必要がありました。
あと注意点としてははんだ付けに慣れていない場合、POTやコンデンサーを壊してしまう可能性があります。
そんな滅多なことでは壊れないはずなんですけどね~。
なので、放熱させるクリップなんかを適宜使うようにしましょう。
改造方法
では実際にカスタムしていきます。
POTを差し替える
まずはセンタートーン(2つあるトーンのうち、ジャックに近い方=写真の左)をハンダゴテを使って外していきます。
実際に外す前に、現在の配線をガッツリ写真に撮っておくと、あとでミスった時にテンパらなくて済みますね。
センタートーンのところにON/ONスイッチをかます方法が一般化していますが、もちろんフロントトーンのところでもOKですし、マスターボリュームのところでも問題ありません。
前述したとおり、トグルスイッチの増設でもOKです。
とにかくストラトの出力回路にON/ONスイッチを増設して、フロントピックアップの出力を出音にミックスすればいいのです。
センタートーンを外したら、そこにON/ON機能付きのPOTを変わりに置き、配線を戻していきましょう。
スイッチ部分に回路を追加
ON/ONスイッチの端子部分以外が元の状態に戻ったら、端子部分にも回路を追加します。
1つは5wayスイッチのフロントPU出力にショートしているところから引っ張ってきて、ON/ONスイッチの縦に3つ並んだ真ん中に。(写真の黄色い線)
もう1つは5wayスイッチの出力(=マスターボリュームにショートしているところ)から引っ張ってきて、ON/ONスイッチの上または下につなげばOK。(写真のオレンジの線)
これでON/ONの回路が途切れる時は通常のストラト配線、黄色とオレンジが短絡する時は出音にフロントの音がミックスされるようになりました。
なぜPOTをスイッチ付きにするのかというと、こうやってスイッチのオンオフができるため、見た目に変更が生じないからではないかと思われます。
POTの高さはナットをうまく使ってちょうどいい感じにするヨロシ。
(ノブがめちゃくそに汚かったのに写真を撮ってから気づいて絶望している)
出音について
出音は・・・実際に試してみてほしいところですが、とにかく面白いです。
フロント+リアはヴィンテージな印象がある、というのはよく言われてますね〜。
僕はフロント+センター+リアの全出力が好きでした。
ただ・・・僕のストラトってフロントだけセイモアダンカン積んでて、センターとリアはスクワイヤのままなんですよ。
ダンカンの出音だけやけにクリアなせいで、全出力だとやけにスクワイヤPUの雑味が気になっちゃった。。。
ゆえにセンターとリアのPU買い足しという出費が発生しそうであります!!(こういう点にも注意!)